クロスセリングとアップセリングの違いとは?メリットや実施時の注意点まで解説!
クロスセリングは既存顧客または見込み顧客に対して、追加で商品・サービスを提案する営業手法です。
クロスセリングを実施することで顧客単価が上がり売上向上に繋がるため、行う価値は高いでしょう。
この記事では、クロスセリングとアップセリングの意味や違い、実施するメリットやデメリット、クロスセリングを実施する際のコツ・注意点について徹底解説します。
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クロスセリングとは?
クロスセリングとは、商品やサービスの既存顧客や利用検討している既存顧客に対して、関連サービスを提案する営業手法です。
商品やサービスの購入時に、追加でおすすめの商品を提示したり、オプションをつけるように勧めることもクロスセリングです。
クロスセリングの具体例
飲食店などで「ハンバーガー」を注文した際に、ハンバーガーの他にドリンクやポテトを提案された経験はないでしょうか?
これがクロスセリングになります。
大手ECサイトなどでも、購入したい商品をカートに入れた際に「この商品を買った人はこちらも購入しています」などと他の商品を勧められることがあります。
クロスセリングは「関連商品・サービスを提案する手法」として、私たちの身近で多く使われています。
クロスセリングは集客に効果的?
クロスセリングは集客よりも顧客単価の向上に効果的といえます。
クロスセリングは主に顧客が「商品の購入を検討中」であったり「商品を購入した直後」に効果的な施策です。
集客が済んだ状態から、それぞれの顧客のニーズを察知して顧客が潜在的に欲しいと思っている商品を提示することで追加で商品を購入するというモデルだからです。
しかし、顧客一人一人のニーズに応えていくことができれば集客にも繋がるといえます。
集客についてはリード獲得の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
まず押さえたい!SaaSマーケティング用語50選
SaaSのビジネスを拡大するうえで、BtoBマーケティングの実践は欠かせません。
一方で、SaaSやBtoBマーケティングの領域には専門用語も多く、
これから本格的に活動を進める方にとって、その理解に苦労することとなるでしょう。
こちらの資料では、SaaSに関連するマーケティングのうち、
押さえておきたい用語を50個ご紹介しています。
クロスセリングとアップセリングの違い
頻繁に実施される営業の手法はクロスセリングだけではありません。
「アップセリング(アップセル)」も様々な場面で利用される営業手法の一つです。
ここからアップセリングの意味、またクロスセリングとの違いについて説明します。
アップセリングとは
クロスセリングとアップセリングの違いについて知るために、アップセリングについて理解を深めましょう。
アップセリングとは、顧客が商品やサービスを購入しようとする際により上位のサービスやより高価なモデルを提示するという意味があります。
顧客が上位プランを選択することで得られるメリットを説明することで、アップセリングを行います。
例えば、SaaSサービスであれば下位のプランだとユーザー数が制限される場合があります。その際会社の規模によって、より上位プランでサービスを利用したほうが良いことを勧められます。
それだけでなく、上位プランでは機能面も充実しているため顧客の会社がもつ課題を解決するのに役立つ場合があります。
このように顧客が上位プランを利用してくれれば自然と顧客単価は上がります。アップセリングは顧客単価を向上させるのに効果的な手法です。
クロスセリングとアップセリングの違い
クロスセリングとアップセリングはどちらも顧客単価の向上という点では同じですが、
その違いは営業の手法にあります。
クロスセリングでは、購入しようとしている商品に追加で別の商品やオプションを購入させます。
一方アップセリングは、購入しようとしている商品よりも高価で品質のいいものや、より上位プランのサービスを勧めることです。
クロスセリングとアップセリングの違いを知ると、それぞれどの場面で活用できるかが分かります。
クロスセリングを実施するメリット
ここまででクロスセリングが顧客単価を向上させられると紹介しました。
ただ、クロスセリングのメリットはそれだけではありません。
ここからクロスセリングを実施する他のメリットをいくつか紹介します。
紹介するメリットは以下の通りです。
客単価を上げることで売り上げ向上につながる
メリットの1つ目は、クロスセリングを実施することで客単価が上がるため、売り上げ全体が向上することにあります。
既存顧客におすすめの商品をセットで購入させることで自然と客単価は上がります。
新規顧客の獲得が難しい業態でも、クロスセリングは有効でしょう。
手間や工数がかかりにくい
クロスセリングは他の売上向上のための手法に比べて手間や工数がかかりにくいです。
新規顧客開拓で売上を伸ばそうとすると、各施策に多くの人手や工数がかかります。
クロスセリングは、顧客が購入する商品に追加でオススメを提示するだけなので、比較的簡単に行えるのもメリットでしょう。
新規開拓コストを削減できる
クロスセリングはコストを抑えて売上を向上させられるのもメリットの一つです。
というのも、新規顧客を獲得して売上を向上させる場合、顧客に認知を広げるための広告費・導入を促すキャンペーン実施費・それぞれの人件費など様々なコストがかかります。
これら新規開拓にかかるコストは莫大で、失敗すれば経営が傾くことも少なくありません。
既存顧客の売上を上げられるのであれば、コストを抑えることもできるので行う価値の高いものといえるでしょう。
リピーターを作りやすい
リピーターを作りやすいのもクロスセリングを実施するメリットの一つです。
なぜリピーターを作りやすいのかというと、顧客の欲しいもの、そろえたい商品をセットで購入しやすくでき、顧客の満足度を向上させやすいためです。
他のサイトで購入するよりも自分の欲しいものが気楽に手に入るため、そのサイトを利用する回数が増えます。
結果的にLTV(=顧客生涯価値)が上昇し、売上向上にも役立つでしょう。
単体で売りにくい商品・サービスを売りやすい
通常であれば単体では売りにくい商品やサービスを売れることも、クロスセリングのメリットです。
例えば、家電製品を購入した際に保証・サポートの何年分かをセットで付けられるようにします。
家電などの1度に大きな出費がかかるもので、さらにすぐに壊れると困るものは保証やサポートがあると顧客はついつい購入してしまいます。
保証やサポートなど、単体で売りにくい商品もオプションとしてクロスセリングできるのがメリットです。
これは、アップセリングにはできないため、クロスセリング独自の特徴だと言えます。これもアップセリングとクロスセリングの1つの違いです。
顧客のロイヤリティーが高まる
クロスセリングを行うことで顧客のロイヤリティーを高められます。
顧客のロイヤリティーとは顧客が、サービスや商品に愛着を感じて長く利用してもらえることです。
クロスセリングは顧客満足度に直結することは先ほど説明しましたが、顧客満足度が上がることでロイヤリティーも向上させることができるのです。
クロスセリングを実施するデメリット・注意点
クロスセリングの実施には多くのメリットがありますが、同時にデメリットや注意点もあります。
ここから紹介するクロスセリングのデメリットと注意点は以下の通りです。
①常に顧客視点で考える
クロスセリングでは常に顧客視点で、顧客がどのようなセールスを受ければ満足できるかと考えることが大切です。
クロスセリングの注意点としては、顧客に合わない商品をクロスセリングしてしまうと、強引なセールスに受け取られてしまう場合があること。
顧客視点になることで、顧客がまた使いたいと思えるサイト作りができるでしょう。
②長期的な関係構築を考える
クロスセリングを行う際は、短期的ではなく長期的な関係構築を行うことを考えておきましょう。
顧客が商品の購入を迷っている際に、オプションを勧めたり強引なセールスを行うと顧客が商品の購入を止めてしまう可能性もあります。
顧客との信頼関係を築くのが大切なポイントです。獲得した顧客に離れられては意味がないので、長期的な関係構築を軸に行いましょう。
③顧客が商品・サービスの購入を停止する可能性がある
他にも大きな注意点としては、クロスセリングの行い方を間違えると顧客が商品やサービスの購入を停止することが挙げられます。
クロスセリングで、顧客に合わない商品をオススメしたり、分かりづらいUIで勝手に顧客が商品を購入するようになっていたりすると、顧客はそのサイトを信頼できません。
最も重大な注意点として頭に入れておく必要があるでしょう。
クロスセリングを実施する手順とは?
クロスセリングは具体的にどのように行っていけば良いのでしょうか。
クロスセリングの詳しい実施方法についてここから紹介します。
RFM分析・LWP分析を行って顧客情報を整理する
まずは、RFM分析とLWP分析を行い顧客情報を整理していきましょう。
RFM分析とは、Recency(直近の購入日)、Frequency(来店・購入頻度)、Monetary(購入金額)の3点の指標を通じて、顧客を3~5つのランク別にグループ分けする分析方法です。
顧客をランク分けして可視化できるため、ランクが高いと優良顧客、低いと離脱の可能性が高い顧客と区別可能。
ランクが高い客にクロスセリングやアップセリングを行なえばより効果的に売上を向上させられるでしょう。
またLWP分析とは、List(顧客リスト)、What(消費行動の内容)、Pace(消費行動の頻度)の観点から、クロスセリングを行うのに適した顧客を探し出す方法です。
RFM分析やLMP分析を行うことで、顧客の情報を整理できるため費用対効果の高いアプローチが可能になります。
非常に意味のある分析だといえるでしょう。
顧客分析を行う
RFM分析とLWP分析を行った後は、顧客分析を行いましょう。
それぞれの分析でクロスセリングに適した顧客を抽出を行ったら、さらに効果的なクロスセリングを行うために顧客の分析を行っていきます。
具体的には以下の観点で顧客を分析します。
- 顧客の仕事などの属性
- 顧客のライフスタイル
- 購入履歴
- 消費の傾向
- 購入頻度
上記の観点で顧客を整理し、よりクロスセリングが成功する顧客を抽出します。
クロスセリングの成功には、顧客のロイヤリティーが欠かせません。
できるだけロイヤリティーが高い顧客に、クロスセリングを行うことで意味のある営業ができるでしょう。
商品設計を行う
顧客分析の後は商品設計を行いましょう。
クロスセリングにおいて、商品設計次第で顧客のロイヤリティーや売上にもかかわるので非常に意味のあるフェーズです。
ユーザーの課題に沿って、関連商品を提示したり定期購入のプランを導入を行えるようにしましょう。
購入までのシナリオプランを構築する
商品設計を行ったら、購入までのシナリオプランを構築しましょう。
シナリオプランは以下のポイントに注目して、作成しましょう。
- 購入した時期
- 商品価格
- 商品の種類
- 商品の購入頻度
顧客の年齢や、それに伴うライフスタイルの変化によって必要な商品やサービスはある程度絞り込むことができます。
プランに基づいて実行する
シナリオプランに基づいて、クロスセリングを実行しましょう。
注意点としては、プランを実行した後に何も分析をせず数をこなすだけは止めるということです。
実行した後は確実に仮説検証を行い、効果のあるクロスセリングを行えるようにしましょう。
仮説検証をするかしないかで売上に大きな違いが出てきます。
PDCAを回せば、より売上の向上を目指せるので、意味のあるクロスセリングをするためにも地道に仮説検証を繰り返すことが大切です。
クロスセリングを実施するコツ
クロスセリングを実施するコツについて以下の3つを紹介します。
コツを確認して、意味のあるクロスセリングを行っていきましょう。
適切なタイミングで実施する
クロスセリングを成功させるための1つ目のポイントは「適切なタイミングでクロスセリングを実施する」こと。
クロスセリングの一番成功率が高まるタイミングは、顧客が商品を購入した直後と言われています。
顧客が購入した商品に関連したものを提示できれば、顧客が「そういえばこれも欲しかった」と購入してもらえる場合もあるでしょう。
逆にタイミングが悪いと、強引な営業に見られたりすることが注意点として挙げられます。なるべく顧客ロイヤリティーが高い顧客にアプローチしましょう。
強引な営業を控える
クロスセリングを成功させるための2つ目のポイントは「強引な営業を控える」こと。オンライン上でも対面でも強引な営業は避けられるものです。
強引すぎる場合は、顧客が購入予定だった商品も別の店で買うことになる可能性もあります。
強引な営業が顧客に避けられる理由は、顧客が営業に対して自分の気持ちを理解できないと考えてしまうからです。
営業が自分の課題や欲しいものについて、自分よりも理解している営業であれば相手を信頼し商品を購入してくれるでしょう。
この点で他社との違いを見せつけられるといえます。
お得感のある価格設定
クロスセリングを成功させるための3つ目のポイントは「お得感のある価格設定」をすること。
セットで購入することでどれだけ安くなるかを提示できれば、クロスセリングの成功につながります。
できるだけ、クロスセリングで提示された商品を購入することで、本来欲しかった商品も安く買えるという状況を作り出しましょう。
クロスセリングを実施して売り上げ拡大を目指そう!
クロスセリングについて、アップセリングの違いを踏まえて説明しました。
クロスセリングを成功させるためには、いくつもの注意点やコツがあります。
それらを踏まえて、意味のあるクロスセリングを行っていき売上の拡大を目指しましょう。
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