RFM分析とは?マーケティングのための基礎知識や手法・施策例まで徹底解説!
顧客の傾向を分析する手法に、RFM分析があります。
RFM分析を行うと現状必要なことを数値で可視化でき、特徴にあったアプローチを行えます。
本記事は、そんなRFM分析の基礎知識からやり方、RFM分析の施策例まで詳しく解説します。
RFM分析とは?
RFM分析は、三つの指標を使い顧客を分類し、それぞれに合うアプローチを実行する手法です。
顧客が企業にもたらす利益の総額の最大化(LTV)を目的に行うことが多いのが特徴です。
三つの指標について、解説します。
直近いつ(Recency)
顧客が自社の商品を直近で買った日時の情報です。
ここでは、何年も何十年も前に買ったお客様よりも、5日前や一か月前と最後に買った日が近い方が良いと判断されます。
頻度(Frequency)
顧客が、商品を買ってくれた回数で分類します。
購入個数が多ければ、良いお客様と判断でき、この値が高いといわゆる常連客にあたり、低いと新規が増えていないことが明らかになります。
購入金額(Monetary)
今までどれだけの金額を商品に対し使ってくれたかを表し、金額が多いほど良い顧客と判断できます。
一人当たりの金額が多ければ、商品を気に入って複数購入している、リピートしているなどの傾向を明らかにできます。
RFM分析の目的
次にRFM分析の目的を解説します。
RFM分析を行う目的は、お客様の状態を知り、それぞれに合う施策をすることです。
良い効果を得るためには、全て同じアプローチをするのではなく、しっかりと傾向・状態を分析をしたうえでの実施が重要です。
そして、お客様から売上を得るには、信頼関係を築く事が大事であり、適切なアプローチをかける事は信頼性を高めるうえで有効的です。
RFM分析のメリット
RFM分析を行う目的を解説しましたが、次に得られるメリットを二つ解説します。
マーケティング施策の効率化
まずは、企業のマーケティング施策の効率化を図れることです。
RFM分析でお客様を傾向で分ければ、各グループに合ったマーケティングを最適なタイミングで行えます。
例えば、常連客や三日前に買ってくれた良いお客様と、5年以上前に買った戻る見込みのないお客様に同じ施策をしたところで、どちらのお客様も逃がす可能性があります。
そこで、RFM分析を行えば、常連客や良いお客様には新商品やキャンペーンのお知らせを送る、戻る見込みのないお客様にはアンケートを実施して理由を聞いてみるなど、それぞれに適したPRを考え、効果的に実施できます。
それと、お客様との関係性が明らかになるため、今まで戻る見込みのないお客様に使用していたコストを減らし、良いお客様に投資し、売上につなげていくなどの戦略をとることができます。
顧客を整理
RFM分析は、お客様の傾向ごとに分かれた明快なお客様情報を管理できます。
お客様管理では、管理している情報から、商品の品質向上、お客様満足度の向上、会社の方向性などに役立てることが理想です。
これらは、RFM分析でグループ化し、データを整理するだけで心理や課題を素早く理解し、効果的な施策に役立てられます。
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RFM分析のやり方
RFM分析の目的やメリットを紹介しましたが、次はRFM分析のやり方を紹介します。
解決したい課題に仮説を立てる
RFM分析では、まず企業の解決すべき課題の仮説を立てます。
仮説のやり方は、例として「売上が減少している原因は新規のお客様が減少したからと推測。安定したお客様から売上を伸ばすのが必要」といった感じで立てます。
データの収集・分析
RFM分析の仮説のやり方について説明をしましたが、目的が明確になったら次は、データを集め、分析にはいります。
データ集計
RFM分析のデータ集めのやり方を説明します。
まず、三つの指標と目的に合わせ、確認したい資料(性別、年齢、エリア等)を一緒に抜き出します。
必要な資料と一緒に分析することで、目的の顧客の分類ができるだけでなく、どの層が優良顧客になるか離反顧客になるかの分析も行えます。
分析
RFM分析は、目的達成の情報を集めた後、現状の分析に入ります。
次は、RFM分析の分析のやり方を解説します。
まず、集めた情報を元にした三つの指標の分布を確認後、立てた仮説を考慮し、グループをランク分けします。
この時、あまり複数に分けるとコストがかかりすぎるため3〜5つくらいにわけると良いです。
ランク分けは、分布状況や分析の目的によって違うので、現状に合うようにします。
ここまでが、RFM分析の資料の集め方と分析のやり方になります。
マーケティングを企画・実施
RMF分析の目的の情報の収集と分析のやり方を解説しましたが、その資料をもとにマーケティングを企画・実施します。
次は、RFM分析のマーケティングの企画・実施のやり方を見ていきます。
まずは、RFM分析のマーケティングの企画のやり方を説明します。
企画は、分析結果と仮説でグループ単位で施策を考えます。
仮説と分析結果が一致する場合、仮説に基づく施策を行えば良いですが、反対に不一致の場合は、もう一度新しく仮説を立てる必要があります。
ここで注意したいのが、一致した場合でも別の原因も考えられることです。
ここまで紹介した手順を何度も繰り返し、より緻密な企画をしていくのが大事になります。
RFM分析のマーケティングの企画のやり方について説明しました。
最後は、実施のやり方ですが、単純に企画まで何度も繰り返し最終的に施策が決定したものを実行します。
効果の検証・改善策の検討
RFM分析のやり方を解説しましたが、ここまでで終わりというわけではなくむしろその後の方が大事になってきます。
お客様の購買行動を短期間で確認するか長期間で確認するかで結果は異なります。
情報は日々更新されるため、それにあわせた施策を実施する必要があります。
RFM分析をエクセルで行う方法
RFM分析は実はエクセルを活用して行うことができます。
RFM分析をエクセルを活用して行う方法について解説をしていきます。
顧客データでリストを作成
エクセルを開きセルに項目”お客様ID”、”注文日”、”注文番号”、”注文金額”を記入します。
- データを全て選択します
- タブの「挿入」から「ピボットテーブル」を選択します
- ピボットテーブルの行ラベルに「お客様ID」、値ラベルに「注文日」「注文番号」「注文金額」をドラッグ&ドロップします
- 値の集計は、「注文日」に最大、「注文番号」に個数、「注文金額」を合計とします
完成したピボットテーブルをすべて選択し、新規のエクセルシートにペーストします
最終購入日・購入件数・購入金額を顧客ごとに集計
次にエクセルで最終購入日・購入件数・購入金額をお客様ごとに集計します。
RFMのランク付け
エクセルシート上でランク付けを行います。
- 最終購入日の右隣に1列挿入、ラベル名を「最終購入日から経った日数」(R)にします
- 算出のために、集計日を定めます
- 追加した列に「集計日」-「最終購入日」の計算式を記入します
- 購入金額の右にR・F・Mの列を挿入します
- 挿入した列をIF関数でランク付けします
RFM分析をエクセルで活用するには、エクセルシート上でランク分けが大事です。
RFMの構成を分析
RFM分析のランク付けが完了後、次はエクセルで分析を行います。
- ランク付けで追加した列を全て選択します
- ピボットテーブルを作成します
- ピボットテーブルの行ラベルにR、列ラベルにF、値ラベルにお客様IDをドラッグ&ドロップします
分析結果で出たエクセルシートの左上に近いほど、最後に買った日から経過した日数が浅く、購入頻度が高いお客様(常連客)になります。
このようにRFM分析はエクセルを活用して行うことが可能です。
RFM分析の施策例
ここまで、RFM分析について詳しく解説をしてきましたが、実際にこの手法の利用例について三つの業界を例にみていきましょう。
製菓メーカー
製菓メーカーのRFM分析の利用例についてみていきます。
ある製菓メーカーでは、お客様の優良化を目標としていました。
お客様データは取っていたが、有効活用できず、最適なマーケティングアプローチができなかったのです。
そこで、RFM分析を行い、結果をもとにお客様一人一人のLTVを算出し、自社独自の分類と分析に成功します。
分類した中でもLTVごとにちがう傾向が見られたため、「最優良顧客」「高LTV一般顧客」など細かい定義を設けました。
結果、ターゲットとのマーケティング施策の方向性があきらかになり、具体的なKPI(目標を達成するプロセスでの達成度合いを計測したり監視したりするために置く定量的な指標)の設計を実現させます。
化粧品会社
化粧品会社のRFM分析について見ていきます。
ある化粧品会社では、既存のお客様を定期購入のお客様に引き上げたいと考えていました。
理由は、売上の大半が新規のお客様によるものでしたが、低下したため、既存のお客様から売上の向上を図る必要があったためです。
そこで、RFM分析を利用し、最終購入日が1か月以上前であり、買う頻度が低いお客様におすすめの化粧品のメールを送りました。
更に一か月後におすすめの商品と一緒に利用すると良い乳液のメールを送る施策をとりました。
結果、一回の購入にとどまらず次回購入に至りました(リピート率の向上)。
定期的に買う人が増え、RFM分析を行った結果、既存のお客様からの売上の向上に成功したのです。
アパレル業界
アパレル業界のRFM分析について見ていきます。
あるアパレルメーカーでは、長い期間利用しているお客様を大事にしたい思いがありました。
しかし、常連客に新規のお客様向けの案内をしてしまい気分を害されてしまうことがありました。
これは、店員の一部がすべての常連を把握できていなかったためです。
ここで、RFM分析を行い、優良のお客様のデータを抽出し、全ての店員が覚えるよう教育しました。
結果、元々いる自社のお客様に適切な接客をすることができるようになり売上の向上につながりました。
RFM分析の注意点
RFM分析は、適切なマーケティングを行う上で便利な手法ですが、注意点があります。
購入頻度の低い商品・サービスには適さない
RFM分析を利用する注意点に一生に何度かだけ買うような商品には向いてないことが挙げられます。
例えば、家や車や大型家電などはそもそも高額なためお客様がリピートし買ってくれる可能性は少ないです。
再び来店してもらう、もう一度買ってもらうなどお客様との関係を管理するのがRFM分析になります。
そのため、買う頻度の少ない商品や高い商品にRFM分析は必要ないことが多いです。
時間の継続性はない
RFM分析は、季節に関係する商品との相性が良くありません。
これは、季節や社会の動き、イベントに合わせて売れる商品は、そもそもRFM分析をしなくても売上の予想がしやすいためです。
例えば、新社会人のリクルートスーツを例にあげます。
新社会人は、大体春に企業でリクルートスーツ等が必要なため、規則性が存在します。
そのため、RFM分析なしでも売上が出るタイミングというものがある程度わかります。
分析に時間がかかる
RFM分析は、詳しい三次元的な分析が可能であると同時に時間・手間(コスト)のかかる手法です。
RFM分析は、基となる情報が必要であり、情報の洗い出しや分析にはたくさんの手間と時間を要します。
情報量が多く、データを統合しなければならない場合、RFM分析を利用すると予想よりたくさんのコストがかかってしまいます。
まとめ
今回の記事では、マーケティングのための基礎知識や手法・施策例としてRFM分析をご紹介させて頂きましたが、BOXILでは工数をかけずにリードを獲得することが可能です。
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