SaaS企業におけるKPIとは?指標やKPIのメリットについて解説!


「SaaSビジネスのKPIはどのようなもの?」と悩んでいないでしょうか? SaaSビジネスでは、お客様に継続利用してもらうことで収益を得ています。そのため自社でKPIをきちんと設定し着実にクリアして乗り越えていく必要があります。

この記事では、SaaS企業におけるKPIの項目と指標の開設から設計方法までを紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.SaaSとは?
  2. 2.SaaS企業におけるKPIとは
  3. 3.KPIツリー作成のメリット
  4. 4.SaaS企業で測定するべきKPI項目は?
  5. 5.KPIツリーの作成方法
  6. 6.まとめ

SaaSとは?

SaaS(Software as a Service)とは、クラウド上のソフトウェアをインターネット環境があればどこでも利用できるサービスのことを指します。

複数人で同時に編集・管理ができるといった特徴があります。


SaaS企業の競争優位性

SaaS事業は広がりを見せ、拡大している市場です。

SaaS企業が成長していく過程では、顧客の獲得と継続的なサービスのアップデートが必要です。

顧客と継続的な関係を築いていく中で、売上をあげていくこととなるので、顧客とのコミュニケーションも重要となります。


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SaaS企業におけるKPIとは

SaaS企業が成長していく上で「成長性」「効率性」「継続性」の3つの観点が重要になります。

KPIでは、組織の目標(売上など)に対して目標達成を評価する指標になります。SaaS企業が目標達成に向けたプロセスを的確に把握して評価することで、今後の方針を決めることが可能です。


SaaS企業としての成長にはKPIが必要

SaaS企業がビジネスを展開する上で、現状の把握と的確な施策をする必要があります。

現状の把握と的確な施策をおこないKPIを設定することで、今後事業がどのように成長を遂げていくのか予測することが可能です。

また、KPIを適切に設定することで開発段階では気づかなかった気づきや課題などを見つけることができます。


KGIとの違い

KPIと類似する用語としてKGI(Key Goal Indicator)と呼ばれる重要目標達成指標が挙げられます。

KPIとKGIの違いは、目標地点になります。KPIの目標地点が、中間目標に対してKGIは最終目標を指します。KGIを定めてからKPIまで分解する必要があります。


SaaS企業のKPI設計にはKPIツリーの作成が有効

KPIツリーとはSaaS企業の最終目標(KGI)を達成するために中間目標(KPI)を並べた図のことで、目標達成までには何が必要でそのためにどのような行動をとっていくのか、改善点を明確化することができます。

SaaS企業には測定するべき重要なKPI項目が多くあります。

SaaS企業がKPIツリーを作成することで各KPIの計算がしやすくなり、売上や売上の内容、収益損失などがどれくらいなのか効率的に測定することができます。


KPIツリー作成のメリット

SaaS企業がKPIツリーを作成することで得られるメリットは主に2つが上げられます。

  • 進捗管理や問題点の洗い出しが簡単
  • KPIの対策修正や改善がしやすい


進捗管理や問題点の洗い出しが簡単

KPIツリーを作成したSaaS企業のチームが、それぞれの中間目標に対してどの程度達成できているのか可視化することで、進捗状況やどこに問題があるのか明確にすることができます。

問題点を洗い出すことで、解決に向けて効率的に行動ができるようになります。


KPIの対策修正や改善がしやすい

講じた対策の効果検証がしやすくなり、迅速に対策の修正や改善をおこなえるようになります。

SaaS企業の最終目標達成に向けた効率的な行動がとれるようになります。


SaaS企業で測定するべきKPI項目は?

SaaS企業では、収益性・継続性・効率性が重視されるため、これらに適したKPIを設定する必要があります。


SaaS企業の収益性に関する指標

SaaS企業が押さえておくべき収益性に関する指標を次の3つから紹介します。

  • MRR(Monthly Recurring Revenue)
  • CMRR(Committed MRR)
  • Quick Ratio


MRR

MRRとは、SaaS企業が毎月得る収益の合計金額を表す指標です。MRRを測ることで、SaaS企業の規模の程度を明らかにすることができます。またSaaS企業がどれくらいの期間でどの程度成長したのかを測る上でも重要な指標です。MRRの成長率は、以下の数式で算出することができます。

MRR成長率=期末MRR÷期首MRR-1


CMRR

CMRRは、1年以上の長期契約を結んだSaaS企業がその期間でどのくらいのMRRが確約されているかを表すKPI項目です。SaaS企業で将来的に見込まれる売上は、CMRR成長率を算出することで正確に把握することができます。CMRR成長率は以下の数式で算出することができます。

CMRR成長率=期末CMRR÷期首CMRR-1


Quick Ratio

Quick Ratioは、SaaS企業が一定期間内で得たMRRと失ったMRRの比率を表す指標です。SaaS企業の成長効率や成長の質を判断する上で、重要な項目といえます。Quick Ratioを測るためには、以下4つの項目を抽出する必要があります。

  • New MRR:新規顧客が増加したことにより得られたMRR
  • Expansion MRR:既存顧客の高額プラン移行などで獲得したMRR
  • Chun MRR:既存顧客の解約などにより失ったMRR
  • Contraction MRR:既存顧客の定額プランへの変更などで失われたMRR

以下の計算式で算出することができます。

Quick Ratio=(New MRR+Expansion MRR)÷(Chun MRR+Contraction MRR)


SaaS企業の継続性に関する指標

SaaS企業は、ビジネスの展開をおこなう上で継続性も重要です。これらに適したKPI項目を5つ解説します。

  • コンバージョンレート
  • チャーンレート
  • リテンションレート
  • ネガティブチャーン
  • NRR


コンバージョンレート

SaaS企業のウェブサイトの訪問者が、商品の購入や問い合わせ、資料請求に至った件数の割合や会員登録の割合を表すKPI項目です。

コンバージョンレートが0%の場合は、誰も商品やサービスを購入していない状態を示します。コンバージョンレートが100%の時は来訪者全員が商品を購入したことになります。

この値が大きいと見込み顧客を低コストで効率よく顧客に転換できていることになります。また、商品やサービスの購入以外にも流入経路ごとに算出する場合もあります。

例えば、外部サイトに広告を出稿して、流入元のサイトや表示内容ごとのコンバージョンレートを算出して、効果的な広告を割り出すことも可能です。


チャーンレート

SaaS企業で解約した顧客の割合を示す指標です。チャーンレートには2種類あります。

1つは一定期間内の解約者数を前期末の総顧客数で割ることで、SaaS企業の顧客数減少率を測定するカスタマーチャーンレートです。

2つ目はSaaS企業の収益減少率を測定するレベニューチャーンレートです。レベニューチャーンレートはさらにグロスレベニューチャーンレートと、ネットレベニューチャーンレートに分けられます。

前者は解約または定額プランへの移行などによる損失額から算出し、後者は高額プランへの移行などによって得た増益分を引いて算出します。

グロスレベニューチャーンレート=(Contraction MRR+Chun MRR)÷前期末MRR

ネットレベニューチャーンレート=(Contraction MRR+Chun MRR-Expansion  MRR)÷前期末MRR


リテンションレート

SaaS企業での顧客1人当たりの契約継続平均期間や、新規顧客の中で一定期間中にウェブサイトやアプリに再訪問した利用者の割合を表しています。

リテンションレートは以下の計算式で測定することができます。

リテンションレート=一定期間内の継続顧客数÷期首の新規顧客数


ネガティブチャーン

ネットレベニューチャーンレートがマイナス状態であることをネガティブチャーンと言います。

ネットレベニューチャーンレートとは、サービス解約に伴う収益の減少分と残った顧客による収益の増加分の両方を考慮した時の解約率を示します。

SaaSのプラットフォームでは、インターネットを通じたサービスを提供するためネガティブチャーンの指標は、重要になります。SaaS企業が成長を遂げていく上で、安定性や成長速度を図る指標として重要とされる項目の1つです。


NRR

前年度と比較し、既存顧客によるSaaS企業の売上維持率を測定するための指標で売上継続率とも呼ばれます。下記の計算式で算出します。

NRR=(月初の合計MRR+Expansion MRR-Chun MRR-Contraction MRR)÷月初の合計MRR


SaaS企業の効率性に関する指標


SaaS企業の効率性に関する重要な4つの指標を解説します。

  • ARPU(Average Revenue Per User)
  • ASP(Average Sales Price)
  • CAC(Customer Acquisition Cost)
  • LTV(Life Time Value)


ARPU

ARPU(Average Revenue Per User)とは、SaaS企業の顧客1人あたりの平均収益を示す指標です。日次ARPUや月次ARPUなど細かく算出することもできます。

類似する用語にARPPU(Average Revenue Per Paying User)がありますが、ARPPUが課金ユーザーの母数を示しているのに対して、ARPUはサービス提供を受けるユーザー全てが母数の対象になります。そのため、ARPPUよりもARPUの方が低い値が算出されます。


ASP

ASP(Average Sales Price)とは、SaaS企業での新規顧客1人あたりの平均収益(平均単価)を表す指標です。SaaS企業が新規顧客1人あたりの収益の質を知る上で重要な指標です。


CAC

CAC(Customer Acquisition Cost)とは、SaaS企業で、1人の新規顧客を獲得するために生じたコストの平均を示す指標です。下記の計算式で求められます。

CAC=新規顧客獲得のために発生したコストの総額÷新規顧客数

より費用対効果を高めていく上では重要な項目となります。


LTV

LTV(Life Time Value)とは、契約期間中の顧客1人あたりの平均収益です。ASPとは異なり期間が定まっているため、より詳細な金額を算出することができます。計算式は以下になります。

LTV=平均購買単価×収益率×購買頻度×継続購買機関


KPIツリーの作成方法

実際にSaaS企業がKPIツリーを作成する方法を解説します。以下の手順でKPIツリーを作成します。

  • KGIの設定
  • KGI達成のための必要項目の洗い出し
  • 目標設定
  • 定期的なフィードバック


KGI設定

ツリーの頂点に、SaaS企業の最終目標(KGI)を設定します。SaaS企業内の部署やチームの状況に合わせ、社員一人ひとりが納得できる共通の目標を設定しましょう。例えば、今年度の利益を昨年比で35%増加させるなど、できるだけ具体的に定めることが重要です。


KGI達成のための必要項目の洗い出し

次にKGIを達成するために必要な項目をSaaS企業のチーム全体で洗い出します。例えば、コスト削減、売上アップなど細かく分解していきましょう。

目標を達成するための重要な項目ですので、抜けや漏れがないか、位置関係は正しいかなどを注意深く確認しながら作成していきましょう。


目標設定

分解した項目の中から、SaaS企業それぞれが特に重要と考える項目を選択し目標を設定します。選び出す際は、SaaS企業のチームの現状を考え、現時点で取り組める個数に絞ることがポイントです。

KPI設定時はそれぞれ正しく単位が使われているか、KPIがKGIを構成する数値となっているかしっかり確認しましょう。


定期的なフィードバック

目標は設定して終わりではなく、SaaS企業のチーム全体でそれぞれの項目を何度も繰り返しフィードバックすることで改善され成長していきます。

フィードバックのタイミングは、日次や週次などあらかじめ決めておくとよいです。フィードバックする際は、ピンポイントではなく全体をしっかり見直していきましょう。


重要KPI設計で明確な指標設定を

SaaS企業が重要なKPI設定で明確な指標設定をおこなっていく上で、KPIツリーの作成は有効な手段です。

チームの共通認識をとり成長速度を高めていくためにも、KPIツリーを活用していくことをおすすめします。


まとめ

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今回の記事では、SaaS企業におけるKPIについてをご紹介させていただきましたが、BOXILでは工数をかけずにリードを獲得することができます。

まずは、実際の費用や活用事例をこちらからご覧ください。

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