STP分析のBtoBでの活用方法は?メリットや効果的な手法をご紹介!
企業がBtoBマーケティングを展開していくためには、様々な分析手法を活用する必要があります。
BtoBマーケティングでは、消費者に直接商品やサービスが届くわけではないため口コミやSNSの反響を得ることが難しいです。
また企業からのフィードバックもあるとは限りません。
そこで、活用される分析手法がSTP分析になります。
この記事では、STP分析におけるメリットや戦略、手法について紹介します。
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STP分析とは
STP分析の起源は、フィリップ・コトラーという経営学者が「マーケティング4.0」で提唱した分析手法です。
STP分析は、次の頭文字から名づけられています。
- セグメンテーション(Segmentation)
- ターゲティング(Targeting)
- ポジショニング(Positioning)
STP分析では、自社がどのような市場に参入してターゲットをどのように設定して、ポジションをどこに取るのかという戦略になります。
STP分析の必要性・メリット
STP分析の必要性とメリットとして、次の3つが挙げられます。
STP分析の必要性とメリットを正確に把握することで、BtoBマーケティングで活かすことができます。
- 顧客や市場を把握できる
- ペルソナ設定の土台になる
- 競合回避ができる
顧客や市場を把握できる
BtoBやBtoCマーケティングでは、利用される市場の細分化を行います。
どの顧客層をターゲットにするか明確にすることで、参入市場を決定します。
ターゲット層や市場を選定することにより、マーケティング施策が適切に働きます。
ペルソナ設定の土台になる
ペルソナとは自社の商品やサービスを利用してもらいたい顧客像を指します。
STP分析では、どのような顧客や市場をターゲットとするのか明確にする必要がありターゲットからペルソナを確立させます。
STP分析ではまずターゲット層を選定しますが、多くの企業でターゲット層をペルソナにしていますがそれは間違いになります。
ターゲット層は、商品やサービスを購入してもらいたい大まかな顧客像を指しますが、ペルソナではさらに詳細にイメージする必要があります。
競合回避ができる
STP分析の結果、自社商品の優位性や大手競合を回避したBtoBマーケティング施策を取ることが可能です。
自社がどのポジションで商品やサービスを展開していくのか、強みはどこにあるのか明確にすることで、詳細のマーケティング戦略を組み立てることができます。
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STP分析の3つの手法
STP分析を行うためには、3つの手法を活用します。
STP分析で必要な手法は、次に挙げられます。
- セグメンテーション
- ターゲティング
- ポジショニング
①セグメンテーション
セグメンテーションとは、市場や顧客をセグメントで分けることを指します。
例えば、年齢や職種、学歴、家族構成などが該当します。
他にも気候や分化、購入頻度など様々な観点からセグメントを分けることが可能です。
②ターゲティング
ターゲティングとは、細分化された市場において自社にとって競争優位性のあるセグメントの選定を指します。
ターゲティングには、同じ製品やサービスを無差別に市場に投入する方法や他社と差別化させた商品を市場に投下する方法などがあります。
③ポジショニング
ポジショニングとは、参入する市場における自社の製品やサービスの立ち位置を検討することを指します。
軸となるモノは、価格や品質、重量などが挙げられます。
顧客にとってどこに価値を置いているのか異なるため、詳細のセグメンテーションが必要になります。
BtoBに効果的なSTP分析の手順
BtoBマーケティングにおいて、STP分析は重要になります。しかし実際の手順を知らずに進めている企業は、多いかもしれません。
BtoB企業における効果的なSTP分析の手順を次の6つから紹介します。
- 事業目的・ゴールを明確化する
- 自社商品・サービスを把握する
- セグメンテーションを行う
- ターゲティングを行う
- ポジショニングを行う
- 結論を決める
- マーケティング施策を考える
事業目的・ゴールを明確化する
どのような業種の事業を行う際にもビジネスの目的、ゴールを決める必要があります。
STP分析を行う手順の最初の一歩として、自社の事業は何を目的としたビジネスなのか、どんなゴールを達成すれば良いのかを明確化し、必ずチーム内で共有しましょう。
STP分析の結論は1つではなく、様々なものが考えられるため事業目的と達成すべきゴールを明確化しておくことで、自社がターゲットにするべき顧客や効果的な戦略、手法を実施することができます。
自社商品・サービスを把握する
ビジネスの目的と達成すべきゴールが明確になったら、次は自社が扱っている商品や提供しているサービスを把握しましょう。
それらの商品・サービスが、どのような顧客のニーズにマッチしているのか、どのような課題の解決に効果的なのかを言語化する必要があります。
自社がどのようなターゲット企業に向けてどんな価値を提供するかということを結論付けるのがSTP分析です。
この段階で把握し、現状取り扱っている商品やサービスをそのまま活用するか、1から決め直すかを検討することが大切です。
セグメンテーションを行う
ビジネスの目的やゴール、自社商品・サービスを明確化したら、STP分析の第一歩であるセグメンテーションの項目から実施していきましょう。
セグメンテーションとは、市場を細分化することで、ターゲットとなる顧客企業の特徴やニーズなどを細かく書き出し、自社が狙うべき企業を決定するための準備段階です。
セグメンテーションを実施することにより、より自社が提供する商品やサービスの提供価値とマッチするターゲットを明確化しやすくなります。
BtoBビジネスにおいては、生産財市場の分析観点と消費財市場の分析観点とを合わせて把握しておくことで正確で効果的な分析が可能となります。
過去の顧客企業とのやり取りなどのデータを、STP分析に活用することもおすすめです。
ターゲティングを行う
セグメンテーションの中で、どの市場で狙うべきターゲットをさらに絞り定めていくのがSTP分析のターゲティングです。
ターゲットを定めていくときは細分化した市場の中で、①規模が大きいこと②今後の成長が期待できること③競合企業が少なく、ニーズが自社商品・サービスとマッチする可能性が高いことです。
より精度の高いターゲティングを行うためには「3C分析」のフレームワークを活用するとよいでしょう。
ポジショニングを行う
ポジショニングでは、市場において自社と類似する競合他社が多く存在する中で、顧客企業の立場から考え、自社の立ち位置を見極めていきます。
例えば、市場における競合として超大手企業が存在する場合は、その企業がターゲットとしていない顧客企業を狙うという戦略や手法を実施すれば、自社の存在価値がより見出せるかもしれません。
また、市場内に自社が取り扱う商品・サービスと類似したものが存在する場合は、自社が提供している商品・サービスの特徴や魅力などを他社と明確に差別化し、顧客に興味・関心を持ってもらうことが大切です。
BtoBビジネスにおいて自社の立ち位置を正確に見極め、効果的な戦略・手法を実施していくためには、競合調査が必要不可欠と言えるでしょう。
この段階で大切なのは顧客にとってメリットがあるかなどを考えることです。
結論を決める
3要素の分析ができたら結論付けるために、どのターゲットを狙うか、市場における自社のポジションはどこかなど分析結果をまとめていきましょう。
ここでは最初の段階で言語化した事業の目的とゴールを意識することがポイントです。
結論付けた内容がビジネスの目的やゴール達成につながる可能性が高いかを判断しましょう。
マーケティング施策を考える
STP分析の結果をまとめたら、次はターゲット企業に対して、自社商品・サービスの認知度向上やアプローチ手法などのマーケティング戦略の検討を進めていきましょう。
また自社が取り扱っている商品・サービスを評価し、そのまま活用するか、今後変更する必要があるかを判断していく必要もあります。
アプローチ手法を考える際は、自社の強み・弱みから導き出すSWOT分析や、マーケティングにおける重要な要素である4P分析を活用すると、より効果的な戦略が導き出せるでしょう。
STP分析に活用できるセグメンテーション戦略要素
BtoBビジネスにおいて活用できるセグメンテーション戦略要素を4つ紹介します。
企業規模
ターゲットとなる企業の規模を把握することで自社の予算を設定することができるため、まずは企業規模に着目しましょう。
企業規模の対象を決めることと、顧客の目線からみた利用しやすいプラン設定を行うことが大切です。
業界・社風
世の中には実店舗中心の業界、EC中心の業界、オフィスワーク中心の業界など数多くの業界があります。
業界によって働き方や規模、取り扱う商品やサービス、ターゲットは大きく異なります。
BtoBビジネスにおける「社風」は、顧客企業の経営層の価値観が大きく影響する要素です。
決裁権限の有無
BtoBビジネスでは商品・サービスの選定者と決裁者が異なることが多いため、対象とする顧客企業の決裁権限の有無を把握する必要があります。
決裁権限が無い人を対象にする場合は、自社の商品・サービスを活用することで業務の効率化が実現できるかという観点を持つことがアプローチ手法を考えていく際のポイントです。
一方、決裁権限を持つ人を対象にする場合は、自社商品・サービスの特徴やメリットを、具体的かつポイントを絞って伝えていくのが効果的でしょう。
購入履歴
企業の購入履歴に着目することも大切です。
企業の購入履歴の違いで、提供するべき商品やサービスの内容を分けていく必要があります。
STP分析の企業活用事例
STP分析の企業活用事例を5社紹介します。
パナソニック
セグメンテーションでは、外出先で使いたい、軽量がいい、セキュリティ機能が高いなどといったニーズや関心ごとで分けました。
ターゲティングでは外回りが多い20〜40代男女の営業職をターゲットにし、軽量、長時間利用可能、防水性、セキュリティ機能の高さを顧客のニーズとしています。
ポジショニングでは軽量、長時間バッテリー、防水などのニーズにおいて、競合との差別化、他にはないメリットや優位性を高め「ビジネス利用のノートPC」というポジション確立に成功しました。
ユニクロ
セグメンテーションでは安くて長く使える、デザイン性も高いなど顧客のニーズでセグメントを行なっています。
ターゲティングでは、カジュアルやベーシックな服装を好むすべての年齢層の男女を顧客として設定しています。
ポジショニングではLife Wear(究極の普段着)として、他社と差別化を図りポジションを確立しました。顧客にとってファッション的にも経済的にもメリットがあります。
マクドナルド
セグメンテーションでは、マクドナルドではコロナが流行する前からデリバリーやデジタル、未来型店舗体験を掲げており、この設定がコロナ流行後の時代とマッチしさらなる飛躍につながりました。
ターゲティングでは提供スピードと安さが顧客が求めるニーズであると考え、30〜40代のファミリー層をターゲットにしました。
ポジショニングでは提供スピード、お手頃なメニュー、モバイルオーダーやドライブスルーなどのコロナ禍においてもメリットがある非接触提供サービスで、ポジションを確立しています。
スターバックス
セグメンテーションでは顧客の年齢層、性別、職業、経済的地位、大都市か地方都市といったセグメンテーションを行っています。
ターゲティングでは、平均以上の収入を得ているオフィスワーカーがいる場所でデザイン職や専門職をターゲットとし、ターゲットにメリットがある内装やサービスで表現しています。
ポジショニングでは都会的でおしゃれな雰囲気の店で、コーヒーを提供するというポジションを確立しました。
コカコーラ
セグメンテーションでは朝食に合うドリンク、和食に合うお茶といった形で細分化しています。
ターゲティングでは商品ごとにターゲットを設定する差別型マーケティングと、様々な市場に同商品を提供する無差別型マーケティングという2つの戦略を合わせて実行しています。
ポジショニングでは昔からあるコーラの味というポジションを確立しています。
STP分析はBtoBに効果的!
STP分析はBtoBビジネスにおいて効果的な分析方法です。
分析し結論付けたら戦略を立て、ターゲットに対して他社にはない自社商品・サービスのメリットなどを説明し、効果的なマーケティング手法を実施していきましょう。
まとめ
今回の記事では、STP分析のBtoBでの活用方法をご紹介させて頂きましたが、BOXILでは工数をかけずにリードを獲得できます。
まずは、実際の費用や活用事例をこちらからご確認下さい。