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SaaSビジネスで重要なARPU?意味・定義からARPPUとの違いを解説!

ビジネスやマーケティングにおいて売上高の把握は重要で意味深く、正確なデータは今後の活動指標にもなります。そこで最近注目されているビジネスに欠かせないKPIが”ARPU”です。ARPUの指標を正しく活用することで収益アップにも繋がります。そこで本記事ではARPUについて紹介し、”ARPPU”との違いなどについても詳しく解説をしていきましょう。


目次[非表示]

  1. 1.ARPUとは
  2. 2.ARPUとARPPU・ARPAの意味の違い
  3. 3.ARPAとの違い
  4. 4.ARPUの計算方法
  5. 5.ARPUを使ったLTVの計算方式
  6. 6.SaaSにおけるARPUの定義とは
  7. 7.ARPU最大化のためにすべきこと
  8. 8.ARPUの活用事例
  9. 9.SaaSビジネスにARPUの最大化は欠かせない
  10. 10.BtoBの集客ならBOXIL


ARPUとは

ユーザー1人当たりの平均売上高を定義として表した指標がARPU(Average Revenue Per Use)です。ARPUを活用すれば自社商品・サービスがどれだけ効果的に売り上げているかなどを把握できます。

ARPUは月額単位での評価におすすめの指標ですので、最近ではスマホゲーム、動画配信サービス、SaaSビジネスなどの月額課金サービスに多く使用されています。


”売上÷ユーザー数”という計算法で、ARPUが求められます。


例えばあるサービスの月間売上高が2憶円で10万人のユーザーがいれば


200,000,000円÷100,000人=2,000円


の式が成立して月のARPUは2,000円と算出されます。


なぜARPUが活用されるようになったのか

ARPUはもともと電気通信事業で定義として使用されていた指標でした。以前の通信業界の市場は、docomo ・au・SoftBankの3社が独占しており、市場は混雑状態だったのです。そして各企業とも顧客数を増やすこと自体が困難な状況に陥っていました。


多くの企業は顧客数を増やすことができない現状を踏まえ、”ユーザー1人当たりの平均売上”を伸ばすことに注目していったのです。そして結果として、売上高の的確な指標値としてのARPUが活用されるようになりました。


SaaSや他のさまざまなビジネスにおいても売り上げを上げるためには顧客数を増やすか、ユーザーの単価を上げるしか方法はありませんでした。上記のような社会的背景を要因としてARPUのニーズはさらに拡大しています。


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ARPUとARPPU・ARPAの意味の違い

最近では”ARPPU”や”ARPA”などARPUと似ている意味や定義の言葉も多く使用されるようになりましたが、詳しい意味・定義などを知っている方は少ないのではないでしょうか。

ではそれぞれのARPUとの違いなどを紹介していきます。


ARPPUとの違い

何かしらのサービスなどに”課金している”ユーザー1人当たりの平均売上高を”ARPPU”(Average Revenue Per”paid”User)といいます。

ARPPUが使用されるようになった背景には、スマートフォンゲームアプリの飛躍的な広がりが考えられます。

そして、ゲームアプリ使用において課金ユーザーと非課金ユーザーを分類する必要性・意味が高くなってきたのが一番の原因です。

課金ユーザーだけの平均売上高の指標がARPPUです。したがってARPPUを活用すれば、無料プランのサービスを提供しているサービス内において課金ユーザーとの違いが明確化されます。


ARPAとの違い


KDDIがARPUの代わりに使用している指標が”ARPA”(Average Revenue Per” Account”)です。ARPUは1人のユーザーに対しての指標ですがARPAは1人のユーザーに対しての指標ではありません。

ARPAでは対象のユーザーが複数のユーザーアカウントを持っている場合も1アカウントに統合され、平均売上高を算出していきます。

最近では1人で数台のスマホやタブレットを所有するユーザーも増え、端末ごとに料金を算出するのは大変です。したがって個人のアカウントごとに区分して算出するために使用され始めた指標ともいえます。


ARPUの計算方法

ARPUを使用すれば一人当たりの売上金額指標も効率的に計測でき、今後の事業計画なども策定しやすくなります。

ではARPUの計算方法を紹介していきましょう。


ユーザー課金モデルのケース

ユーザー課金モデルは


”課金をしている1ユーザーあたりの平均売上(ARPPU)×課金しているユーザー率(PUR) ”


を定義とした式で求められます。この公式の中でのARPPUは商品の平均購入数、購入頻度、単価などから求められます。

そこで実際のゲームアプリを例として取り上げて計算方法について解説しましょう。


1ヶ月の課金率が60%程度のゲームがあったとして、このゲームのユーザーは月平均で2,000円使用し、4点のアイテムを購入、月平均課金数が4回と仮定すると


ARPPU=2,000×2×4=16,000

ARPU=16,000×60%=9,600円


という式が成り立ち、ARPPUは16,000円、このケースのユーザー課金モデルのARPUは9,600円と算出されます。


表示課金の広告モデルのケース

”エンゲージメント×(CPM÷1,000) ”で計算されるのが表示課金の広告モデルです。式の中のエンゲージメントは利用頻度・PV・アプリの滞在時間などから構成され、商品の種類によって多少の違いも発生します。

そしてユーザー1人平均でアプリ使用時に表示されている広告単価(CPM)をかけたものがARPUです。

では実際のアプリの例などを用いて検証していきましょう。

アプリ下の表示広告のCPMは200円、1インプレッションの平均点が0.2点、アプリの広告表示は1ユーザー1日平均30回であれば、1日のARPUは

ARPU=30×0.2=6

となりその日のARPUは6円ということになります。


クリック課金の広告モデルのケース

ARPUのクリック課金の広告モデルの計算式として提示されるのが”CPC×CTR ”の公式です。

広告1クリックで発生する平均売上高がCPCであり、一方のCTRは”クリック率”を表しています。

また、クリック率は「広告がクリックされた回数÷表示回数」で表記されますので、下記に具体例(計算式)を表記していきますので参考にしてください。

 SNSアプリでCPCが50円、1日のユーザー利用者が2万人、広告表示回数が200万回、広告へのクリック数が1万回として算出するとCTRは0.5%になります。

 この指標をもとに1日当たりのARPUを算出すれば

ARPU=50×0.5=25

という値が計測されます。


ソフトバンク株式会社の場合


ソフトバンク株式会社もクイック課金方式で多くの売り上げを上げている企業の1つです。


通信事業における月間のARPUは4,440に達しており(2017年調べ)、ユーザー1人につき毎月4,440円もの課金をしているデータが検出されています。


ソフトバンクはユーザーの興味を引き付ける新プランを次々に提案しており、興味深い提案によってARPUの増加を計っているのです。


株式会社ぐるなびの場合

株式会社ぐるなびもクイック課金方式で多くの実績を上げている企業の1つです。

ぐるなびの月間ARPUは約40,000以上もの指標が計測されています。(2019年度調べ)

そしてデータを定義として考えると、全ての店舗が毎月40,000円ほど課金している計算になるのです。

ぐるなびはさらなるARPUの増加のために既存顧客以外の経営サポートや、ネット予約拡大などに力を入れています。


ARPUを使ったLTVの計算方式

ARPUを導き出すことによってスマートなビジネスが可能になり、企業の利益率が向上することはいうまでもありません。

そしてARPUの活用によりさらなる価値観を生み出すことができます。

その価値観こそが生涯顧客価値、”LTV”(Lifetime Value)であり1人の顧客の一生から得られる利益です。

ではLTVの計算方法を紹介していきましょう。


ARPU×平均利用時間

ARPUはユーザー1人当たりの平均売上高を表した指標であり、ARPUに平均時間をかけることでLTVを求めることができます。

ECビジネスやSaaS型のビジネスを展開していればLTVの活用は重要で深い意味も持ちますので、正しい計算方法を理解しておきましょう。


ARPU÷解約率

一定期間の間にユーザーがサービスの利用をやめる割合が”解約率”です。

顧客のサービス平均利用時間を計算する方法には、単純に解約率の逆数を求める必要があります。

上記の計算方法を活用することで解約率の逆数をもとめ、LTVの簡単な計測が可能です。


SaaSにおけるARPUの定義とは

特定のプロダクトに対して、毎月定額的支払いをする月額課金型のビジネスを”SaaS”ビジネスといいます。

最近はSaaSビジネスにおいてもARPUが重要視されているのが現状です。ここからはSaaSにおけるARPUの定義について解説していきます。


ARPUの重要性

現在はさまざまな企業がSaaSビジネスに取り組み、市場での競争が激しさを増しています。

そして激しい競争に伴い、新規顧客の獲得が困難になっているのが現状で、多くの企業でARPUの重要性や意味について問われています。


SaaSビジネスの収入を決める要素に直結する

上記でも解説したように、SaaSビジネスは毎月定額的支払いをする月額課金型のビジネスです。

SaaSビジネスの収入は”顧客1人当たりの売上金額”と”顧客数”によって大きく左右されます。

したがってユーザー1人当たりの平均売上高を表した指標であるARPUは、SaaSビジネスの収入を決める要素に直結しているのです。


顧客1人当たりの売り上げ金額を向上させる必要がある

上記でも解説したように、現在SaaS市場には多くの企業が参加していますので新規顧客を獲得していくのは困難です。

そして新規顧客獲得が困難な状況であれば、顧客1人当たりの売上金額であるARPUを向上させていくことが課題とされています。

このような観点からも多くのSaaS企業でARPUは重要なKPIとして認識されているのです。


BtoBビジネスが盛んになった

BtoBビジネスが盛んになり、企業間の取引が増えたことでARPUも重要視され、深い意味を持つようになりました。

ARPUを活用することで取引先企業のARPUに着目することで、取引相手の現状や特徴なども把握できます。

したがってARPU はBtoB営業活動においても有効的な方法として認識されているのです。


プロダクトマネージャーや経営陣にとってのビジネス指標になる

プロダクトマネージャーや経営陣にとってARPUは欠かすことができない指標です。

プロダクトマネージャーや経営陣は複数のアプリなどの1人当たりの収益を比較することで、収益率の高いものの選別ができます。

そして1人当たりの収益を比較する際に便利な指標がARPUであり、ARPUの使用によって収益確保の効率化を計ることも可能です。

このような観点から、ARPUはプロダクトマネージャーや経営陣にとってのビジネス指標・定義になるといえます。


ARPU最大化のためにすべきこと

企業でARPUを活用していけば確実な利益の確保ができる上に、今後の営業活動の指針を立てていくことも可能です。

ではARPUを最大限まで活用するための方法について詳しく解説していきます。


無料ユーザーと差別化する

ARPU最大化のためには、課金ユーザーと無料ユーザーの差別化を計ることが重要です。

現状で無料ユーザーでも、企業側が魅力的なサービスを展開していけば課金ユーザーへと変わり、意味のある活動が展開されていきます。

したがって課金ユーザーと無課金ユーザーのサービスの違いを大きくして、差別化を明確にすることでARPUも最大化され、活動の意味や定義も明確化されていくのです。


顧客ロイヤリティを向上させるためにNPSを活用する

ARPUを最大化させるには、顧客が企業のサービス・商品などに信頼や愛着を持ってくれる”顧客ロイヤリティ”を向上させることも重要です。

そして”NPS”と呼ばれる数値指標を使用すれば顧客ロイヤリティを向上させることができます。

そしてNPSを活用すれば顧客の企業に対する信頼度なども把握できますので、企業ロイヤリティの向上にも繋がりARPUの最大化にも繋がっていくのです。


購入頻度を向上させる

商品・サービスの購入価格を上げるだけでなく、ARPUの最大化のために購入頻度を向上させるのも重要です。商品・サービスの内容を十分に把握し、ユーザーにとって最適なタイミングで購入を進めていきましょう。

しかし、再購入を勧めすぎれば逆効果になり意味がない活動になるので、やりすぎないように注意が必要です。また、再購入時の特典などを設けることでユーザーの購入意欲を高めることもできます。


アップセル・クロスセルを導入する

ユーザーが使用している現状の商品やサービスよりも、さらに高品質・上位なものを提供して乗り換えてもらうことを”アップセル”といいます。

そしてユーザーが現状で検討している商品・サービスに加えてさらに別のものをセットしたり、単品購入してもらうことを”クロスセル”といいます。

アップセル・クロスセルも有効的な方法であり、定期導入によりARPUの最大化に繋がっていくのです。


価格プランを調整する

ARPUを最大化させるためには購入1回の価格プランの調整も重要です。

価格を上げてもユーザーが離れていかないように機能性をアップさせたり、よりよいサービスの提供をこころがけましょう。

そして適切なタイミングで価格アップを提案し、実現させていくことでARPUも最大化されていきます。

ChatworkはARPUを最大化させることに成功している

Chatworkは2019年に東証マザーズ上場を果たした企業で、コロナ禍を活用して大きく成長したSaaS企業です。Chatworkは常にITリテラシーが低くても活用できるツールで、幅広い顧客層を対象にしています。

さらに幅広い顧客層に相談窓口を開設し、適切なDXサービスを展開してマネタイズに成功しました。そして上記の結果がARPUの最大化に繋がっていったのです。


ARPUの活用事例

ARPUを最大化させることは企業の利益確保に欠かすことができない活動です。しかし実際に取り組む際には展開させていく方法や定義などが解らず、どのように取り組んでいいか分かりませんよね。そこでここからはARPUの活用事例を紹介していきます。


Sansan

法人向けの名刺管理ツールをクラウド型で提供するサービスが”Sansan”です。Sansanは常に優れたサービスを更新しユーザーに提供していくことで顧客件数、単価双方での躍進を実現しています。


一般的に高成長するSaaS企業は、顧客件数、単価双方の数値を向上させていく傾向がありますので、Sansanはまさに成長の条件を兼ね備えた企業といえます。


Chatwork 

Chatworkも高水準のARPUを実現している企業の1つです。上記でも解説したように、幅広いジャンルのユーザーに高品質のサービスを提供することで高いユーザー価値を提供し続けています。

ChatworkはARPUを主要KPIと認識しており、積極的な活動で現在も順調にARPUを伸ばし続けているのです。


 オイシックス・ラ・大地

有機・無添加食品、ミールキットなどの通信販売を専門的におこなっている企業が”オイシックス・ラ・大地”です。

オイシックスの売り上げは会員数とID客数に大きく分けられ、近年ではID客数の売上高が向上し続けています。

ID売り上げ向上の理由として考えられるのが”コロナ禍”です。オイシックス・ラ・大地はコロナ禍の外出自粛の影響を利用して近年大きく成長しました。

そして現在も堅調にARPUを伸ばし続けています。


SaaSビジネスにARPUの最大化は欠かせない

企業がユーザーに定期的に商品やサービスを提供し、毎月定額の利益を得るSaaSビジネスでは顧客の単価などを正確に把握し、次の戦略に繋げていくことは重要です。

そして、SaaSビジネスではユーザーの売り上げを確実に把握できる指標であるARPUの活用は欠かすことができません。

最終的にSaaSビジネスでARPUを効率的に活用し、常に最大化させていくことで十分な利益の確保を継続することが可能になります。


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