4C分析の意味や活用方法は?事例や注意点・他のフレームワークとの違いも紹介!
現代企業が顧客からの信頼を得て生き残るためには、さまざまな要因から会社の状態を分析できる「4C分析」が欠かせません。
常に顧客視点に立つ4C分析とはどのような手法であり、活用することでどのようなメリットが期待できるのでしょうか。
目次[非表示]
- 1.4C分析とは?
- 2.4C分析と他の分析方法との違い
- 3.4C分析の4要素
- 4.4C分析の活用方法
- 5.4C分析と4P分析の活用事例
- 6.4C分析の際の注意点
- 7.4C分析を有効に活用して経営戦略を強化しよう!
- 8.まとめ
4C分析とは?
まずは、4C分析について解説していきます。
顧客が商品を選択し購入するまでに大きな影響を与える4つの要素の意味
4C分析とは、企業が顧客に対してマーケティングを行う際のフレームワークのことです。
以下4つの単語の頭文字「C」を組み合わせて4C分析と言われます。
それぞれの単語の意味についても理解しておきましょう。
- Customer Value : 顧客価値
- Cost : コスト
- Convenience : 利便性
- Communicatio : コミュニケーション
4C分析は、単に頭文字が「C」のマーケティング用語を集めたのではありません。
確かに全ての英単語の意味はマーケティングの要であり頭文字も「C」ですが、実は「Customer Value」以外にも、頭に「Customer(顧客)」という単語を付けても通じます。
注意点として、4C分析はそれぞれの単語の意味だけ分かっても活用できません。
実際にそれぞれどのような分析を行うのかは後ほど詳しく紹介しますが、4C分析はすべて「顧客の方を向いている」という意味で共通しています。
4C分析は企業の商品やサービスが生み出す顧客価値・コスト・利便性・コミュニケーション全てが、自社の方ではなく顧客の方を向いているマーケティングを意味しています。
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4C分析と他の分析方法との違い
マーケティングにおける分析方法は「4C分析」だけではありません。4C分析以外の分析方法とどのように違うかを解説していきます。
- 4P分析との違い
- 3C分析との違い
- 5C分析との違い
4P分析との違い
4P分析は、頭文字がすべて「P」の英単語を組み合わせたマーケティング手法です。その4単語の意味は、以下の通りです。
- Product:製品およびサービス
- Price:プロダクトの価格
- Place:販売場所や提供方法
- Promotion:販促活動
勘の良い方はすでに気付かれたかもしれませんが、この「4P」全てが実は「4C分析」における単語の意味と対になっています。
- 顧客価値↔製品およびサービス
- Cost : コスト↔プロダクトの価格
- Convenience : 利便性↔販売場所や提供方法
- Communicatio : コミュニケーション↔販促活動
意味が対になっているということは、それぞれが4C分析とは正反対のマーケティング手法ということです。
4C分析が全て顧客視点であるのに対して、4P分析は全て企業視点のマーケティングとなっています。
実は4C分析のベースとなっているのがこの「4P分析」であるため、どちらかが必要、不要ということはなく、4C分析と組み合わせて活用する必要があります。
3C分析との違い
次は4C分析と「3C分析」の違いです。
注意点として、3C分析は4C分析から数字が1つ少なくなっているだけのように見えますが、実は4C分析には含まれていない意味を持つ英単語が含まれているという違いがあります。
- Customer:自社製品の顧客
- Competitor:自社製品と競合する他社
- Company:自社
まず「Competitor」と「Company」という単語は4C分析には出てきません。
そして「Customer」の意味も顧客ではなく「自社製品の顧客」となっています。
3C分析は企業が行う「市場分析」において必要なフレームワークであり、3C分析を行うことで企業の方向性を定めたり最善なマーケティング方法を見極めることができます。
「4C分析」および「4P分析」は英単語の順番は関係ありませんでしたが、3C分析は上から順番に行っていく必要があります。
まずは自社製品・サービスの提供対象となっている顧客や市場の分析を行い、次に競合となる他社がどのような内容で、どれだけの成果を上げているか分析します。
最後に、ここまでの分析結果をさらに分析して、自社が今後どのような商品開発やマーケティングを行っていくべきなのかを見極めます。
ここでは「SWOT分析」や「VRIO分析」といった手法を組み合わせる事例もあります。
5C分析との違い
最後は4C分析と「5C分析」の違いです。5C分析も他と同様に以下の英単語の頭文字を組み合わせたマーケティング手法となっています。それぞれの意味は以下の通りです。
- Company:自社
- Consumer:消費者
- Competitor:競合する他社
- Customer:中間顧客(顧客の顧客)
- Community:地域
注意点として、こちらも4C分析から数字を1足しただけの分析手法のように見えますが、実体は異なるという違いがあります。
5番目の「Community」は「Context(背景)」や「Collaborators(協力者)」など、他の単語に置き換わることがあります。
また4番目の「Customer(中間顧客)」は単に「Customer(顧客)」としているところもあります。
結局5C分析で何が行いたいのかというと、「3C分析」において欠けている「顧客の視点」や企業がある「地域の視点」をプラスした分析です。
自社の方向性を明確にするだけでなく、市場における自社の立ち位置を正しく理解したり、地域において何が求められているのかを見極めることが含まれています。
4C分析の4要素
次は、最初に解説した4C分析におけるそれぞれの「C」がどのような分析を指しているのか、それぞれ解説していきます。
Customer Value(顧客価値)
4C分析における「Customer Value(顧客価値)」とは、顧客にとってその商品・サービスを用いることで生み出されるものや価値のことを指します。
自社が販売する商品やサービスに関してどのような価値を見出しているかではなく、あくまで顧客が商品やサービスに見出す価値が重要です。
Cost(コスト)
4C分析におけるCost(コスト)とは、顧客がその商品・サービスを利用するために支払う対価・お金・コストのことです。
注意点として、顧客は商品を購入する際は当然ながらお金という対価を支払いますが、ここでいう対価にはお金だけでなく「時間」も含まれます。
例えば商品を購入するために店舗に行くまでの交通費は顧客が支払いますし、その分の時間も顧客が対価として差し出していることになります。
当然ながらこの対価は顧客側が「支払うことをいとわない」レベルの商品である必要があります。
Convenience(利便性)
4C分析におけるConvenience(利便性)とは、顧客がそれぞれのニーズに合った商品・サービスを見つけるまでの利便性のことを指します。
実体がある商品であれば、顧客にとっては店舗までのアクセシビリティ(行きやすさ)が重要になります。
地図やナビを使ってもたどり着けないような店舗に店を構えても、利便性が高い店舗とはならず利益を最大化できません。
Communication(コミュニケーション)
4C分析におけるCommunication(コミュニケーション)とは、顧客とコミュニケーションを取るときの円滑性やハードルの低さのことを指します。
最近はマーケティングにSNSを使う企業が増えており、とりわけ若年層の利用が高いSNSにおいて顧客との距離を縮めておくことは良いマーケティングになります。
例えSNSをやらない企業でも万全のサポート体制を整えておくことで、顧客との良い関係を保つことができます。
ただし注意点として、SNSは活用方法を間違えるとマーケティングにおいてマイナスの結果となってしまう場合があります。運用方法や運用者はよく考えて選定するべきです。
4C分析の活用方法
ここまでは4C分析について基本的な内容を解説してきましたが、次は4C分析を実際にどのように活用できるか、3つの活用方法を解説していきます。
- 内部・外部環境を調査:3C分析・SWOT分析
- 顧客情報の深堀り:カスタマージャーニー
- 他社との差別化:4C分析・4P分析
内部・外部環境を調査:3C分析・SWOT分析
4C分析は「3C分析」や「SWOT分析」と組み合わせて活用することができます。
3C分析はすでに解説したとおり「自社製品の顧客・自社製品と競合する他社・自社」の3つを考えますが、SWOT分析とは以下の5つの要素を考えます。
- Strength:自社の持つ強み
- Weakness:自社の持つ弱み
- Opportunity:自社に良い影響を及ぼす機会・環境要因
- Threat:自社に悪い影響を及ぼす脅威
SWOT分析は主に自社が行っている事業について内部および外部の視点から評価したり、新規事業を行う際のリスクについて、これも内部および外部の視点から評価します。
これにより、自社の今後の戦略を明確化できます。
顧客情報の深堀り:カスタマージャーニー
4C分析では、顧客が商品やサービスを購入に至るまでのプロセスが分かります。
この際、顧客が「衝動買いする可能性」について考える必要はなく「なぜ購入したか?」という点が最も重要です。
顧客がどのようなプロセスで商品やサービスを購入しているか(カスタマージャーニー)が分かれば、必然的に最適なマーケティング方法も絞られてきます。
加えてその理想的なマーケティングから自社のマーケティングがどれだけ離れているのかも4C分析で分かります。
他社との差別化:4C分析・4P分析
4C分析では自社が他社と差別化できる部分、差別化しなければならない部分についても明確にできます。
「4C分析」と「4P分析」はそれぞれ対であり、顧客および企業の視点からどのようにマーケティングを行うべきなのか計画を立てますが、他社と差別化できる点も見えてきます。
4C分析と4P分析の活用事例
次は、対になる4C分析と4P分析の活用事例を解説していきます。
事例① 環境分析と市場機会の発見
事例② STP分析
事例③ マーケティングミックス(4C・4P分析)
事例① 環境分析と市場機会の発見
顧客視点に立った4C分析と、外部・内部両方の環境分析が可能な3C分析を行うことにより、自社の持つ強みを十二分に発揮できる環境が分かり、新たなビジネスを行うための市場機会を発見できます。
事例② STP分析
市場が分析できたら、STP分析を行います。STP分析は以下の3要素を用いたフレームワークです。
- Segmentation:市場の細分化
- Targeting:市場の決定
- Positioning:立ち位置の把握
市場の細分化とは、例えば100人の顧客を異なる出身地・年齢・職業・性別などで分類することを意味しています。
例えばどの地域のどの層に利益が多いか分かれば、よりその地域環境に適合した事業をスタートできます。
事例③ マーケティングミックス(4C・4P分析)
マーケティングミックスとは、その名の通りマーケティング手法を組み合わせる方法です。まさに今回取り上げている4C分析や4P分析がそれに当たります。
4C分析と4P分析を組み合わせて行うこともマーケティングミックスの一つです。
すでに自社に最適な市場は4C分析により判明するため、4C分析の結果に合わせて4P分析を行うなど、多様なマーケティング手法の組み合わせを再度考え、実行できます。
4C分析の際の注意点
最後は、4C分析を行う際の注意点について解説していきます。
- ターゲットを明確に設定する
- 自社の優位性を把握する
- 各要素の整合性を取る
- 常に顧客視点に立ち返る
ターゲットを明確に設定する
1つ目の注意点は、ターゲットを曖昧にしたまま分析をすることの危険性です。
そもそも「なぜ4C分析を行うのか?」という点が明確でない企業は、企業としての将来的な方向性も定まっていないことでしょう。
必ず「4Ç分析を行うことで達成できる目的とは何か?」という疑問への答えを明確にしたうえで4C分析を行うべきです。
自社の優位性を把握する
2つ目の注意点は、自社の優位性を把握しないまま分析を進めると正しい分析が行えないという点です。
4C分析を行う際には、自社がどのような分野において他社と差別化できるのか、いわゆる「優位性を保持できる部分」について把握しておきます。
これにより、利益を最大化できる新たな立ち位置(市場機会)を見つけられます。
各要素の整合性を取る
3つ目の注意点は、各要素で整合性を取らなければ分析する意味がなくなるという点です。
そもそも4C分析は、「顧客価値・コスト・利便性・ コミュニケーション」のうちいずれかが突出していると、正しい分析ができません。
自社で4C分析を行うだけでは偏った分析になってしまうと危惧する場合は、専門家など第三者の手を借りて第三者視点での4C分析を行うことを考えても良いでしょう。
常に顧客視点に立ち返る
最後の注意点は、自社の希望的観測や願望が可能な限り入り込まないようにすることです。
4C分析は、常に顧客視点からものを見るマーケティング手法です。
積極的に顧客の意見を取り入れることで、自社優先の偏った見方で分析を行わないように注意します。
もちろん「100%顧客の意見を取り入れる」ことは不可能なので、顧客視点の4C分析結果を落とし込んで行う自社視点の4P分析によりバランスを取る必要があります。
4C分析を有効に活用して経営戦略を強化しよう!
4C分析を行うことは、自社にとって「今までは当たり前となっていたマーケティング」を見直すことでもあり、多くの場合それは企業にとっての成功に繋がります。
顧客の情報収集能力が高い現代において、企業は特に4C分析の必要性が重視されています。
とりわけ新しく会社を作ろうと考えている方、事業を行おうとしている方は4C分析を活用し、経営戦略を強化することをおすすめします。
まとめ
今回の記事では、4C分析の意味や活用方法についてご紹介させて頂きましたが、BOXILでは工数をかけずにリードを獲得することが可能です。
まずは、実際の費用や活用事例をこちらからご確認下さい。