コモディティ化に企業が陥る原因は?コモディティ化の意味や事例を徹底紹介!
企業が長年経営を行っていくうえで陥りやすいのが「コモディティ化」です。陳腐化とも言われるこの現象に、具体的にどのような意味があるのか、いくつかの事例を交えながら解説していきます。
コモディティ化の意味
まずは「コモディティ化」の意味について解説していきます。
独自性やブランド力によって差別化されていた商品が、多数の類似商品の出現によって、一般的な商品になること
コモディティ化とは、簡単に言うと「ありきたりになること」を意味しています。
例えば、今では最早当たり前になっているスマートフォンは、最初の「スマートフォン」が登場した十数年前においては非常に真新しいもの、他に類を見ないものであったため、市場価値が非常に高かったのです。
しかし現在は国内外含む多くの企業がスマートフォンを開発・販売し、もはやスマートフォンを知らない人はほぼ一人もいないほどまでに普及するという意味で、、コモディティ化が進みました。非常に高画質な写真や動画を撮ったり、高品質なゲームができるのが当たり前になりました。
今からどこかの企業が「スマートフォンを発売します!」と豪語したところで意味はなく、見向きもされない状態までコモディティ化しているため、市場で生き残るにはスマートフォンの性能やコストパフォーマンス、独自の機能等で勝負しなければなりません。
この事例のように、元々一部の企業が始めたときは画期的だった商品やサービスは、多くの企業が類似のものを提供し始めることで当初のような優位性がなくなります。この「一般化」が意味するところが、いわゆるコモディティ化なのです。
コモディティ化は、必ずしも悪い意味を指しているわけではありません。良い意味でコモディティ化した商品は他にもたくさんあります。カメラの他にも、テレビや冷蔵庫、車やカメラなどが良い意味でのコモディティ化事例として挙げられます。
最近では「絵を描くAI」も話題になりましたが、今後は多くの企業がAI技術を用いた商品・サービスの開発を行うことでコモディティ化し、珍しい技術ではなくなるでしょう。
やがてAIは人々の生活の中に溶け込んでいき、いつかのカメラのように、AI技術が用いられた製品そのものも良い意味で「コモディティ化」していくと予想されます。
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コモディティ化が起きる原因
スマートフォンの例を引き合いに出すと、現在日本でスマートフォンを開発している多くの企業は、コモディティ化の波に呑まれているといえるかもしれません。
企業側の原因
コモディティ化の原因が、他企業との差別化に苦しむ企業にあるのは明白です。
しかし、ときにはコモディティ化していくことが仕方のない選択であり、合理的な選択であることも多いです。
例えば、奇をてらったスマートフォンを開発し発表すると一時的に話題にはなるかもしれませんが、それが実用的であり売れるかどうかは別です。
ある企業が発表し、結局は開発・販売が中止された「巻き取りスマートフォン」という事例があります。
多額の開発費を掛けたのは良いものの、多くの消費者が手を出せるレベルまでコストとのバランスを取り、販売に漕ぎ着けるのは簡単ではありません。
プロジェクトが頓挫してしまえば、商品がどれだけ画期的であっても今後製品化されなければ絵に描いた餅のままで終わってしまいます。
また、他の企業がもっと良い類似品を開発・販売して成功を収めるかもしれません。
そこで多くの企業がどうするかというと、他の「一般的なスマートフォン」のトレンドから大きく外れないようにしつつ、独自の強みや価格競争で勝負するしかなく、結果的にコモディティ化が起こります。
実際のところ企業がどれだけコモディティ化を避けようとしても、「完全に自社独自の商品を開発し多くの人に受け入れてもらう」ようなことは、時間がかかり価格にも転嫁されてしまうため非常に難しいのです。
消費者側の原因
コモディティ化の原因は企業だけでなく、実は消費者側にも原因があります。
例えば企業が「1億画素のカメラ」を売りとしたスマートフォンをそれなりの高価格で販売するとします。
発売当初は同様の性能を持ったスマホを開発している企業は他になかったため、技術的には十分画期的だといえます。
しかし実際「スマホのカメラが1億画素である凄み」を理解し、そこに他社にない優位性を見出す人は少数です。
SNSが主流になった現代において、実際にはカメラの性能そのものよりも、「価格が安くてそれなりの写真や動画が撮れる」ことや「写真や動画を友人と簡単に共有できる」ことを優先する人が多いです。
結果的に、1億画素のカメラが搭載されたスマートフォンは、価格が高い「分かる人には分かる」だけの商品になってしまいます。これでは、完全に他の企業と差別化できたとは言えません。
スマートフォンが普及し尽くしコモディティ化したことで、もはやどのような新商品が販売されても「多数の中の一つ」となり、新機能に対する消費者の関心も薄れていきます。
このように、消費者がすでに大衆化された商品やサービス、それぞれの価格等に対して積極的に関わろうとしなくなることも、コモディティ化の原因の一つだと言えます。
コモディティ化の問題点
スマートフォンの例を考えると、「そもそもコモディティ化は必然なので、別に悪いことではないのでは?」と思われる方もいるかもしれません。
そこで次は、コモディティ化が引き起こす以下の問題についてそれぞれ解説していきます。
- 品質、機能において商品を特化出来ない
- 価格競争につながる
品質、機能において商品を特化できない
商品やサービスがコモディティ化すると独自性が出せないため、市場競争で遅れを取りやすくなります。
それは、他社製品とデザイン・機能面でもほとんど見分けが付かないスマートフォンを量産するようなものです。独自性を好んでいた以前からの根強い顧客も離れていく原因となります。
価格競争につながる
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コモディティ化により他社商品と区別できる部分が少なくなると、他社と競争できる部分が価格だけになりコモディティ化の原因となります。
やがて同じような機能・性能の商品が、より安く他社から販売されると顧客の流出にも直結します。
全く同じ性能のスマートフォンが2つの企業から販売される場合、多くの人の判断基準となるのは「安さ」です。
もちろん企業がそれまでに培ってきたノウハウや信頼性を「買う」人もいますが、それも長続きしない場合が多いです。
コモディティ化による影響
コモディティ化が進むと、商品を提供する企業および消費者は少なからず影響を受けます。具体的にどのような影響を受けるのか解説していきます。
企業側の影響
コモディティ化が進むと、商品やサービスの独自性ではなく価格で他社と競争しなければならなくなります。
しかし他社より価格を下げるとなるとコストカットしなければならない部分が必ず発生するため、それが消費者からの商品評価に影響を及ぼし、業績悪化の原因となります。
例えば、同じような性能のスマートフォン同士でも、目が肥えている消費者は細かい違いに気づきます。
価格を安くするためにコストカットしている部分が露呈してしまうと顧客の流出にも繋がります。このように、コモディティ化が原因でマーケティング上のバランスを取るのが難しくなるのです。
消費者側の影響
コモディティ化は消費者側から見れば、メリットがあるように見えます。
例えばスマートフォンは会社ごとの独自性があるものの、デザインやUIはほぼ共通化されているため、誰もが使いやすくなっています。
コモディティ化によりOSを変えても基本的な操作は変わらないため、誰もが困惑せずに電話やメールといった基本的機能を使いこなすことができます。
このようなコモディティ化による「規格の共通化」は、グローバルでの競争力を上げることにも繋がります。
ガラパゴスケータイが日本で主流だった頃はほぼ完全に日本専用機でした。
しかしスマートフォンがコモディティ化したおかげで、いくつかのメーカーは世界でも戦える競争力と評価を得ています。
コモディティ化の対策
コモディティ化を避けるためにはどのような対策が必要でしょうか。実施できる以下の点について解説していきます。
- コモディティ化対策1:差別化戦略を行う
- コモディティ化対策2:ユーザーの主観評価を重視する
- コモディティ化対策3ブランドを確立する
差別化戦略を行う
長年スマートフォンを開発・販売していたある企業は一時期コモディティ化によって優位性を失っていました。
しかし独自のカメラアプリやデザインなど、その企業にしか出せない強みを追求し続けたことで世界でも戦える競争力を獲得し、結果的にシェアを伸ばすことができました。
この事例から、コモディティ化を避けるためには一時期でも生産力が落ちることを恐れずに、イノベーションを起こし続けていくべきだ、ということが分かります。
ユーザーの主観評価を重視する
ユーザーの評価を重視した商品・サービス開発はコモディティ化を避けるうえで重要です。
イノベーションを起こそうとする企業の開発者は、コモディティ化を避けて独自性を優先するあまりユーザー視点が失われやすいという罠があるからです。
この点で、企業は「ユーザーが求めるもの」と「自分たちが貫きたいもの」との間でバランスを取りながら、コモディティ化を避けるための戦略を立てていく必要があります。
ブランドを確立する
企業としてのブランドを確立すると、たとえコモディティ化が進んでも「その企業が出す商品だから」という理由で、長期的な顧客が付きやすくなります。
最も分かりやすい例が「iPhone」です。スマートフォン自体のコモディティ化が進み、ライバルとの差がほとんどなくなった現在でも、Appleという会社やiphone自体がブランド化しています。
その結果、「Appleが販売するスマートフォンだから」という理由で新機種を買い続けるファンは非常に多いです。
コモディティ化戦略の事例
今後企業がコモディティ化を避けグローバルでの競争力を挙げていくために、どのような戦略が取れるでしょうか。いくつかの事例を取り上げていきます。
- コモディティ化戦略1:主観的な体験を売るー”モノ売り”から”コト売り”への転換
- コモディティ化戦略2:付加価値を与えるーコンテンツで文脈を付与
- コモディティ化戦略3:営業活動の差別化ーコモディティ化を脱出するためにコンテンツマーケティング!
事例①主観的な体験を売るー”モノ売り”から”コト売り”への転換
コモディティ化を避けるなら、ユーザー体験を重視したマーケティングは非常に重要です。
「このスマートフォンは何が得意か?」ではなく、「このスマートフォンを買った人は何ができるか?」というような、「モノ(商品)」の価値ではなく「コト(体験)」の価値を重視して売り込む戦略を取るのはコモディティ化回避を行ううえで賢い方法です。
とりわけ現代はSNSで「体験を共有する」ことが主流になっていますから、他の企業にはできない「体験」ができることに焦点を当てることができます。
事例②付加価値を与えるーコンテンツで文脈を付与
コモディティ化は商品としての「付加価値が下がること」と言い換えられますが、逆にコモディティ化されていない、付加価値の高い商品は差別化が容易であり、成功しやすいです。
従来売り込んでいた層から、ターゲットを変えるような事例も出てくるかもしれません。
他の企業が販売する商品やサービスでは得られない「体験」を重視したマーケティングを行っていきましょう。
事例③営業活動の差別化ーコモディティ化を脱出するためにコンテンツマーケティング!
コモディティ化を避けて独自性を生み出すための戦法として、コンテンツマーケティングは良い方法です。
コンテンツマーケティングとは、商品やサービスに関する直接的なマーケティングを行うのではなく、自社が運営するウェブサイトやSNSを通じて、潜在的な顧客を生み出していくことです。
ユーザーが求める独自性を上手く引き出せるコンテンツを作ることができれば、より質の高いフィードバックを得ることが可能になり、長期的な顧客の獲得に繋がります。
コモディティ化から抜け出して事業をスケールアップさせよう!
消費者がネットを通じていくらでも情報を得られるようになった現代において、他社が真似できないような商品・サービスを作ることは簡単ではありません。
しかし安易なコモディティ化を避けるための努力を企業がし続けるなら、最終的にはより多くの顧客を獲得できるでしょう。
まとめ
今回の記事では、コモディティ化に企業が陥る原因についてご紹介させて頂きましたが、BOXILでは工数をかけずにリードを獲得することが可能です。
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