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【完全版】3C分析の進め方は?成功事例やコツ・注意点すべきポイントを解説!

3C分析はマーケティング戦略を立てる上で欠かせないフレームワークです。この記事では、3C分析の進め方やコツ、注意点などについて事例をもとに解説します。3C分析の方法を覚えてビジネスを成功に導きましょう。


3C分析とは

コロナ禍や円安など、常に変化し続けるマーケット環境において、マーケティング戦略の立案に苦労が絶えない担当者の方もいることでしょう。

有効なマーケティング戦略を立てビジネスを成功させるためには、「マーケティングフレームワーク」の活用が不可欠です。フレームワークを、ポイントを押さえて正しく使いこなすことができれば、誰でも簡単に分析を行うことができます。

マーケティングフレームワークの中でも代表的なのが「3C分析」です。

3C分析とは、マーケティング分析のための基本的なフレームワークの1つです。

マーケティングを取り巻く環境を以下の3つの要素に分解して考えます。

・Customer:市場、顧客

・Competitor:競合

・Company:自社

顧客(Costomer)になりうるのはどんな人か、競合他社(Competitor)の強みや市場シェアはどの程度のものか、そして自社(Company)はどのような強みや弱みを持っているのかを分析し、ビジネスを成功につなげるための要素を導き出します。

3C分析を行うことで、自社のビジネスを取り巻く環境を客観的に捉え、自社の立ち位置を決めることが可能になるでしょう。

この記事では、ビジネスを成功させるための3C分析の進め方やコツ、ポイントや注意点などを事例を交えて解説します。


3C分析を行い、適切なチャネルでリード獲得!

4大チャネル別リードアプローチ

BtoBマーケティングを実施する上で、商談数や契約数の土台となるリード数の獲得は重要です。
一方で、リードと一口に言っても、すぐに製品/サービスを導入したいと考えている担当者から、
まだ興味を持ち始めたばかりの担当者まで検討フェーズは様々です。
本資料ではそれらの検討フェーズの分類や、各リードに対するチャネルの活用方法を解説します。



3C分析の進め方とコツ

ここからは、3C分析の進め方とコツを見ていきましょう。

3つのCである、「顧客・市場」「競合」「自社」に分解し、それぞれの進め方とコツについて解説します。これらを押さえておくことで、後半で紹介する事例について理解する時にも役立ちます。


ステップ①市場・顧客の分析

3C分析でまずはじめに行うのは、市場と顧客の分析です。

ターゲットとなる自社の商品やサービスを取り巻く市場のボリュームはどれくらいか、自社の商品やサービスを使ってくれる顧客はどんな嗜好を持っているのかを考えてみましょう。

市場と顧客では、それぞれ見るべきポイントや進め方が異なります。

最初に3C分析における市場分析の進め方をお伝えします。

市場分析するときのコツとして、マクロ視点(俯瞰的)とミクロ視点(具体的)で見る必要があります。

マクロ視点での分析に有効なのが、「PEST分析」です。

PEST分析では、市場を構成するPolitics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の4つの要素に分解し、それぞれについて自社のビジネスに関連する情報を集めます。

例として、カフェチェーンの3C分析を行うことを想定しPESTを洗い出してみましょう。


項目

PEST分析

Politics(政治)

コロナ禍により事業を縮小せざるを得ない企業に対して助成金などの支援がある。

Economy(経済)
円安による物価高、最低賃金の向上により減価率が悪化している。
Society(社会)
2年以上続くコロナ禍に人々が慣れ、感染防止をしながらの活動が増えてきている。
Technology(技術)

非対面の接客ロボットや会計システムが普及している。


もう一方のミクロ視点で市場を分析する進め方を見てみましょう。

3C分析でミクロ視点の分析を行う際には「ファイブフォース分析」が便利です。

自社がさらされている脅威を、「競合他社」「新規参入企業」「代替品」「顧客の交渉力」「売り手の交渉力」という5つのForce(力)に分解し分析するのがコツです。

先ほどのカフェチェーンを例にすると以下のようになります。


項目

ファイブフォース分析

競合他社
カフェチェーンは乱立しており競争は激しい。
新規参入企業

スーパーやベーカリーなどがイートインコーナーを設けるなど新規参入が脅威になっている。

代替品
コンビニコーヒーが定着し脅威になっている。
顧客の交渉力
コンビニコーヒーやファーストフード店など飲料を安価に手に入れられるため、顧客の交渉力は高い。
売り手の交渉力
飲料の種類や快適に過ごせるソファなどの投資は競合他社にも容易にできるため、売り気の交渉力は低い。


次に顧客分析の進め方です。

3C分析で顧客分析を行う際には、自社の既存顧客へのアンケートやインタビューの他、SNS上の口コミなども活用すると良いでしょう。より多くの情報を得たい場合には、調査会社などを使い、広くアンケート調査を行うのも有効です。

顧客分析のコツは、客観的な情報を集めるということです。有効な3C分析を行うためにも、自社で集めたアンケートだけでなくSNSやWeb上の口コミなども活用し、自社に都合の良い情報ばかりが集まらないようにしましょう。


ステップ②競合他社の分析

3C分析の次のステップは、競合他社の分析です。

市場や顧客に対して、競合企業がどのような強みで戦っているのか、逆に弱みは何かを洗い出します。

情報源は、商品やサービスについては企業のWebサイト、売上などの業績は決算書などから手に入れます。

3C分析で競合他社の分析を行う際の注意点は、情報を客観的に見ることです。自社に都合が良い・悪いを考えず、事実のみを洗い出しましょう。


ステップ③自社の分析

3C分析の最後のステップは、自社の分析です。

市場や顧客に対して、自社がどのような立ち位置や方法で戦うことができるのかを考えましょう。

3C分析で自社分析を行うときのコツとして「SWOT(スウォット)分析」というフレームワークが活用できます。SWOT分析では、自社のStrength(強み)、Weakness(弱み)、Oppotunity(機会)、Threat(脅威)の4つに分解して分析します。

例として、架空のカフェチェーンに当てはめて考えてみましょう。


項目

SWOT分析

Strength(強み)

全国に1,000箇所の店舗網を持っており知名度が高い。

Weakness(弱み)

メニューの開発力が他社に比べ弱く、顧客に新しい価値を提供できていない。

Oppotunity(機会)

Uber Eatsのような飲食宅配が一般的になり、店舗に来てもらえない顧客への商品提供が可能になっている。

Threat(脅威)
スーパーやベーカリーなどのイートイン拡大により顧客を奪われる可能性がある。


SWOT分析を行うことで、自社がどのような立ち位置で戦うべきなのかを考えることができるようになります。


3C分析する際のポイント

基本的な3C分析の方法を解説したところで、実際に分析を行う上でのポイントをご紹介します。


情報収集を怠らない

3C分析を行う上でのポイントとして、市場や競合について有効な情報を集めることが重要です。

市場や顧客データは官公庁やシンクタンクなどが発表している統計データが役立ちます。また、必要に応じてアンケートやインタビューによる一次情報の収集も必要になるでしょう。

競合については、コーポレートサイトや決算資料などを使うのもポイントです。



3つのCの間を意識して考える

3C分析で設定した3つのC同士の関係性も意識するようにしましょう。

以下のように考えるのがポイントです。

関係性

3C分析における関係性

市場・顧客と自社の関係

市場や顧客が求めている価値(ベネフィット)は何か。また、自社が提供できるベネフィットは何か。

競合と自社の関係
競合に対して自社が優位に立てる点は何か。また、本当に同じ市場や顧客を取り合っている競合と見なせるか。
競合と市場・顧客の関係

市場や顧客が競合に価値を感じるのはどのような点か。また、それは自社にも提供可能な価値か。


このように3C分析における3つのCの間を意識することで、顧客や競合との関係性が明らかになります。こうしたポイントを押さえておくことで、より深い分析を行うことができます。


3C分析をする際の注意点

3C分析をする際には注意点があります。

大きく以下2点について意識するようにしましょう。

・正しい情報を収集する

・情報収集に時間をかけすぎない

それぞれの注意点について1つずつ解説します。


正しい情報を収集する

3C分析を行う際の注意点の1つとして、「市場・顧客」「競合」「自社」の3つのCのデータを漏れなく集めるようにしましょう。

3つのうちどれかが欠けていては、有効な3C分析をすることができません。

また、3C分析に使うデータは、必ず信頼できる情報元から正しい情報を収集するようにしましょう。できる限り、政府関連機関や上場企業など、信頼性の高い情報元が発表しているデータを集めるようにしましょう。


情報収集に時間をかけすぎない

3C分析では、報収収集に時間をかけすぎないことも注意点の1つです。

顧客や市場動向、競合他社の動きなどは、情報を集めている間にも常に変化し続けます。古い情報をもとに3C分析を行っても、有効な戦略を導き出すことは難しいでしょう。

情報を漏れなく集めるということと両立するのは難しいかもしれませんが、分析に必要なデータが揃ったら、速やかに3C分析を行い、戦略策定に時間をかけるようにしましょう。


3C分析の成功事例5選

ここまで解説してきた3C分析の方法を使って、実際の企業を例に分析した事例をご紹介します。

代表的な業態として、以下の5つの業界と企業の事例をもとに3C分析を行います。

・ファッション通販:ZOZOTOWN

・家具:ニトリ

・カフェチェーン:スターバックス

・ファーストフード:ロッテリア

・ゲーム:任天堂

それぞれの事例について1つずつ考察していきます。紹介した進め方やコツ、ポイントや注意点などを見返しながらご覧ください。


3C分析の成功事例①ZOZOTOWN

ファッション通販の代表例として、ZOZOTOWNの3C分析を行ってみましょう。

まずはZOZOTOWNの3Cを以下のように整理しました。

3つのC

3C分析

Customer:市場、顧客

・2019年から2021年にかけての衣類のEC市場は堅調に推移している。

・円安の影響により、顧客の購買意欲が下がっている。

Competitor:競合

・衣類のEC化率は2021年時点で21.15%であり伸びしろがあるため、今後も競合他社のEC参入があると予想される。

・ユニクロやSHOPLISTなどの安価なアパレルECが台頭している。

Company:自社

・ファッションコーディネートアプリ「WEAR」でリアルなレビューを提供できる。

・「ZOZOツケ払い」により購入ハードルを下げることが可能。


ファッションECは堅調に伸びており、成長市場と言えるでしょう。

コロナ禍を発端に競合各社のEC化が進むと予想できるため、今後はさらに競争力が求められそうです。

その中にあって、ZOZOTOWNは独自のファッションコーディネートアプリ「WEAR」や「ZOZOツケ払い」など新たな取り組みを次々と打ち出しています。この企画力がZOZOTOWNの大きな強みと言えるでしょう。


3C分析の成功事例②ニトリ

家具大手のニトリを3C分析してみましょう。

まずはニトリの3つのCを以下のようにまとめました。

3つのC

3C分析

Customer:市場、顧客

・コロナ禍の巣ごもりにより家庭用家具の需要が高まっている。

・コロナ禍の長期化により巣ごもり需要は今後も続くため、品質の高い家具が求められる可能性がある。

Competitor:競合
・最大の競合と言えるIKEAは店舗数こそ少ないが、レストランを併設するなど「テーマパーク」として楽しめる戦略をとっており、広範囲からの集客を見込める。
Company:自社

・日本の生活スタイルや和室に合うデザインやサイズの家具を扱っている。

・国内700箇所の店舗網。


コロナ禍の巣ごもり需要で、家具業界は大きく業績を伸ばしました。今後もテレワークの浸透により、自宅を仕事空間として利用するニーズは高まると予想されるため、家庭用家具の市場は継続的に伸びていくでしょう。

手頃な価格で家具を買えるニトリは、不況が続く中で存在感を示しています。

最大のライバルと言えるIKEAには圧倒的な店舗数で対抗しています。


3C分析の成功事例③スターバックス

カフェチェーン大手であるスターバックスの3C分析です。

スターバックスの3つのCをまとめると以下のようになります。


3つのC

3C分析

Customer:市場、顧客

・人口減少の影響もあり業界全体が頭打ちな上に、コロナ禍の影響により大きく縮小した。

・コロナ禍の巣ごもり需要により外食文化自体が変化している。

Competitor:競合

・コメダ珈琲、椿屋珈琲、ルノアールなど高級志向の喫茶店が直接的なライバル。

・安価にコーヒーやフードを提供する業態のカフェが多数存在(ドトール、タリーズなど)。

・コンビニやスーパー、ベーカリーなどを筆頭に店内飲食ができるイートインスペースが広がり、大きな脅威となっている。

Company:自社

・飲料だけでなく、「くつろげる空間」というベネフィットを売っている。

・季節ごとに限定メニューを出せる商品企画力。


安価なコーヒーやフードを提供する業態と一線を画す高価格帯で勝負しているのがスターバックス珈琲です。

ユーザーに対して提供しているのは、飲料というよりは「くつろげる空間」というベネフィットです。

同価格帯の直接のライバルはコメダ珈琲や椿屋珈琲などですが、スターバックスはブランド力で対抗しています。「スタバでコーヒーを飲む」という体験自体がユーザーにとっての価値になっている良い例と言えます。


3C分析の成功事例④ロッテリア

ファーストフード国内3番手のロッテリアについても3C分析を行いました。

3つのCは以下の通りです。

3つのC
3C分析
Customer:市場、顧客

・ファーストフード業界全体の市場規模は横ばい。

・コロナ禍で一時的に落ち込んだが、Uber Eatsなどのデリバリーサービスを活用し需要を掘り起こしている。

Competitor:競合

・業界最大手のマクドナルド。

・品質志向を掲げるモスバーガー。

・その他、同価格帯のうどんやラーメン店なども競合となる。

Company:自社

・時代を先取りした新商品開発に定評がある。

・顧客の要望に応えて、トッピングなどメニューのカスタマイズができる。


飲食業界はコロナ禍により大打撃を受けました。巣ごもり消費が続き、以前の状態にまで需要を戻すのは至難の業でしょう。

業界3番手であるロッテリアは、マクドナルドやモスバーガーという強大なライバルと戦う戦略として、新商品開発やメニューのカスタマイズなど小さなニーズに応えることで差別化を図っています。


3C分析の成功事例⑤任天堂

ゲーム大手の任天堂についての3C分析事例です。

3つのCについては以下の表にまとめました。

3つのC
3C分析
Customer:市場、顧客

・コロナ禍の巣ごもり需要により、業界全体が大きく伸びた。

・スマートフォンの普及によりゲームの裾野は広がっている。

Competitor:競合

・スマートフォン向けゲームが活況。

・サブスク動画や電子漫画など顧客の可処分時間を奪い合う競合が多数存在する。

Company:自社

・独自端末の開発により顧客の囲い込みが可能。

・歴史が長く、人気キャラクターの二次利用による収益も見込める。


スマートフォンの普及によりソーシャルゲームが台頭しており、ゲーム業界の裾野は広がっています。

また、「顧客の可処分時間」という資源は、ゲーム業界だけのものではありません。サブスク動画サービスや電子漫画なども競合になり得ます。

その中でも、Nintendo Switchというオリジナルゲーム機による独自体験やキャラクター商品を提供できる任天堂は、不動の地位を築いていると言えるでしょう。


3C分析を活用してビジネスを成功させよう!

ここまで3C分析の進め方やコツ、注意点について、事例を交えながら解説してきました。

3C分析には正解はありません。置かれた状況や分析の切り口によって異なった結果になるはずです。

「3C分析をする際のポイント」や「注意点」で書いたように、「確かな情報を十分に集める」「3つのCの間を意識する」「時間をかけすぎない」という点を意識して分析してみましょう。

3C分析を上手に活用すれば、自社の取るべき戦略を導き出すことができます。3C分析をマスターして、ビジネスを成功させましょう。


まとめ

今回の記事では、3C分析についてご紹介させて頂きましたが、BOXILでは工数をかけずにリードを獲得することが可能です。

まずは、実際の費用や活用事例をこちらからご確認下さい。




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